
EZ Test シリーズ
米国薬局方 USP 915 および USP 1912 に収載が予定されている半固体材料の硬さに関する特性評価法は、様々な医薬品の性能、品質安定性を把握することに有用です。これら薬局方においては、硬さの評価を通して、材料間の特性比較評価が可能であることが示されています。硬さが関連する医薬品の代表的な特性としては、軟膏剤の塗りやすさ・伸びの良さ、ローション剤の伸びの良さ、外用液剤の垂れにくさ、貼付剤の粘着剤の塗布のしやすさ等をあげることができます。 従来、医薬品の硬さ評価は、多くは官能評価によって実施されてきました。しかし近年、適切な粘性の製品を安定供給するために医薬品の硬さを定量評価したいというニーズが生まれています。しかしながら、これまで医薬品業界では硬さを定量評価するための公認された評価方法が存在しません。医薬品の硬さ特性評価に関する測定法が USP 915 およびUSP 1912 に収載されることで、今後は医薬品の粘弾性特性を定量評価可能な手法が公認され、医薬品の安定供給、より正確な開発品の比較評価が実施できると期待されています。 USP 915 には、Strain ramp measurement、Shear rate rampmeasurement、Oscillation amplitude sweep measurement、Penetrometry measurement の 4 つの医薬品の評価方法が収載される予定です。ここでは、上記 4 種の評価方法のうちPenetrometry measurement の一評価法として収載される定速法について紹介します。この方法は使用するコーン試験治具の形状が予め決められているため、治具を選定する必要がありません。コーン形状試験治具が試料に押し込まれる深さによってちょう度を測定する内容となっており、試験分析者はシンプルで分かりやすい方法でデータの評価を行うことができます。 ちょう度に関しては、USP 1912 に詳細内容が記載されており、ASTM D217、ASTM D937 という工業用グリスやペトロラタムといった半固体物質に対して確立された規格試験法を参考情報として提示しながら、ちょう度をはじめとした各種特性値の表す内容を理論的な観点から説明がなされています。 今回は薬品として市販されている薬用ハンドクリームと、試験速度に粘度が依存性を示すことで知られている歯磨き粉について試験を行ったアプリケーション事例を紹介します。
2019.01.30
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