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はじめに

金属材料引張試験方法の国際標準規格である ISO6892 は,現在改正に向けた手続きが行なわれており,2009~10 年には改定版が発行される見通しです。 改定版での負荷制御方法における主要な変更点は,「降伏点までの負荷として,従来の応力増加速度制御方式に加え,ひずみ(伸び計で計測)増加速度制御方式も併記」ですが,このような制御方式の追加は,材料供給メーカにとって,そのユーザからこれまで経験のなかった「ひずみ増加速度制御」による試験データを求められる可能性が出てくることになります。従って,鉄鋼メーカを中心とする既存試験機ユーザでは,今後の設備更新や新設において,安定したひずみ速度制御が試験機で可能かどうかについて関心が高まると予想されます。 一般の試験機では,クロスヘッド速度制御以外の応力制御やひずみ制御において,適切な制御ゲインを(試料毎に)オペレータが決定する必要があり,その適正値を得るため事前試行実験を行わねばなりませんが,今回紹介する「島津精密万能試験機オートグラフAG-X シリーズ」では,ゲインのオートチューニング機能を有し,試行実験なしに適正条件での試験が可能となりました。 ここでは,「島津 精密万 能試験 機オート グラフAG-50kNX」と伸び計 SSG-50-10H を使用し,SPCC 材を試料として改定(予定)版 ISO6892 に記載されている 2 種のひずみ増加速度で引張試験を行い,その結果と負荷速度の制御精度を検証しました。 なお,2 種の速度とは,2%ひずみまでの負荷速度として,0.00007/s と 0.00025/s の 2 種ですが,同規格では後者が推奨されており,その速度許容値(精度)は±20%であることが規定されています。 また,試験片形状は JIS Z2201 による 5 号(幅 25mm,標点間長さ50mm,厚さ 1mm)としました。

2009.02.18

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