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はじめに

発泡プラスチックは精密機器等の輸送に際しての緩衝材や,保温目的での断熱材,建築用防音材などのほか,軽量であることから食料品の容器など,その特長を活かして多様な用途で使用されています。 発泡プラスチックは空気を含んだ部分(気泡)が,樹脂の薄い膜や壁で仕切られた構造となっており,いくつかの製造方法がありますが,代表的なものとしてスチレンなどの原料にトルエンなどの発泡剤(食料品用では重曹)を混ぜて加熱することにより,気泡を形成させるものがあります。 しかし,直接原料と発泡剤を型に入れて加熱すると,内部で温度分布の偏りなどのため気泡の大きさが不均一になるなどの問題が起こります。このため,実際にはまず数 mm 程度の一次発泡体を作成し,その一次発泡体を型に入れ再加熱することにより均一性を確保するなどの工夫がなされています。 このような発泡プラスチックは,それぞれの用途に応じた柔らかさや強度などが必要で,発泡剤の含有量や加熱方法などにより製造時に制御を行ないます。 今回は発泡剤含有量が異なる 3 種類の発泡プラスチックについて,その代表的な物性を圧縮試験,密度測定,X 線 CT による内部観察により多面的に評価した例を紹介致します。

2010.01.11

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