
二軸引張試験システム
リチウムイオン二次電池(本稿では以下「リチウムイオン電池」と記載)は,高いエネルギー密度とセル電圧を有するため,情報端末や家電などの電源として広く利用されています。近年では,一般家庭への普及率が向上しているハイブリッド自動車や電気自動車の駆動エネルギー源として注目されており,その需要は今後も増加していくものと考えられています。 リチウムイオン電池は短絡や過充放電,衝撃などによって不安定になることがあり,安全性を確保するために電池を構成する部品レベルにおいても様々な保護機構が備わっています。構成部品のうち,リチウムイオン電池セパレータは正負極電極間の接触を防止すると同時にリチウムイオンを通過させるスペーサとしての役割を担い,また電池短絡時には異常電流,温度上昇を防ぐ機能を有しています。 一方でリチウムイオン電池セパレータは、粗い表面性状を有する正極と負極に接触する形で設置されるため,高い機械的強度が求められます。電池は充電の際などに温度上昇を伴うことから、ある程度の温度上昇でも機械的強度を保っている必要があります。これを確認するため、リチウムイオン電池セパレータの突き刺し試験と引張試験における強度が、温度変化に対してどのように変化するかを測定しました。本稿ではこの事例を紹介いたします。
2011.09.10
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