
食品・飲料
- 試験溶液の調製の簡略化、分析時間の短縮が期待できます。 - 内標準自動添加キットの使用により、内標準元素の添加作業が簡略化され、ミスの低減が期待できます。
「清涼飲料水等の規格基準の一部改正に係る試験法」(以下、試験法)ではミネラルウォーター類中の元素類一斉試験法としてICP-MSが収載されています1)。本試験法では分析対象元素ごとに希釈倍率が設定されており、内標準元素も手作業で添加することが定められています。そのため、作業が煩雑になってしまうだけでなく、試験溶液の数が増え、調製から測定までのトータルの分析時間が大幅に増加してしまいます。これでは、ICP-MSの多元素一斉分析という特長を生かすことができていません。 一方、「食品中有害物質等に関する分析法の妥当性確認ガイドライン」の基準に適応していることが確認できれば、同等以上の性能を有する試験法として採用することが認められています2)。そこで、全分析対象元素を5倍希釈で測定する分析法(以下、5倍希釈の分析法)による測定を試みました。なお、内標準元素の添加作業を簡略にするために内標準自動添加キットの使用も試みました。 本報では、5倍希釈の分析法をガイドラインに従って妥当性を確認しました。試験法の分析法も同様に確認を行い、同方法と同等であることが確認できましたので、報告します。
2022.03.24