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ユーザーベネフィット

- 培地中の金属元素の一斉分析ができます。 - 培地の分解処理がいらず希釈のみで測定でき、前処理は簡便です。 - 高マトリックスの培地であっても90~110 %の良好な添加回収率が得られ、正確な分析を行うことができます。

はじめに

培地中の金属元素は細胞に取り込まれて、酵素作用や酸化還元反応に寄与するため、細胞培養における重要な要素であることが報告されています。一方で、金属元素は培地製造工程で原料や設備からコンタミネーションするリスクがあるため、Lot間で金属元素濃度が異なる可能性があります。よって均質な細胞培養の実現には培地中の金属元素濃度プロファイルの把握が重要と考えられます。今回は、必須微量元素を中心とした複数元素を、高感度に多元素一斉分析が可能なICPMS-2030で測定しました。ICP-MSでの測定では、培地に含まれる無機塩類や有機化合物(マトリックス)が干渉やインタフェースの詰まりの要因になり、分析値に影響を与えることが考えられます。本アプリケーションニュースではICPMS-2030を用いた培地中の金属元素分析について、添加回収試験や連続分析の安定性の検証を行いましたので報告します。

2022.07.06