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はじめに

微量金属の分析法として,電気加熱原子吸光法(ETAAS) した。や誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)が広く用いられており,医薬品やその原料の金属不純物の測定にも有効です。 国内では,新規医薬品原薬中の不純物に関するガイドライン(医薬審発第1216001 号,平成14 年12 月16 日改)において,金属触媒が残留した場合,日本薬局方(JP)収載の試験方法または適切な方法で残留金属触媒を分析し,開発段階で評価することになっています。その分析方法として,第十六改正日本薬局方の第一追補(平成24 年9 月27 日)において,新たに誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)が一般試験法として収載されました。 一方, 米国薬局方(The United States Pharmacopeia(USP)) の刊行物であるUSP<232> Elemental Impurities-Limits では,Big Four と呼ばれる4 元素(鉛,カドミウム,ヒ素,水銀)と11 元素について許容限度値を定めています。またUSP<233> Elemental Impurities-Procedures において処理手順と分析法を掲載しており,分析法としてICP-AESとICP-MS が掲載されています。ここでは代表的な消炎鎮痛剤であるアセチルサリチル酸(アスピリン)中の金属不純物をICP-AES とETAAS を用いて分析した例をご紹介します。

2021.03.28