低温濃縮-GC-MS/MS (MRM) 法による揮発性有害大気汚染物質およびオゾン前駆物質の分析

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はじめに

大気中の揮発性有機化合物の環境モニタリングは、健康影響を把握する目的や光化学オゾンおよび PM2.5 の発生源推定の目的で実施されてきました。それらの分析法としては容器捕集-GC/MS (SIM) による多成分同時分析法が普及しています。有害大気汚染物質に該当する可能性があるとして 248物質がリストアップされており 1)、多成分同時分析法の拡充が期待されています。GC/MS (SIM) 法では、測定対象物質数を増やすと測定物質相互あるいは夾雑物質によるイオン干渉のために分析が難しくなる可能性があります。一方、マルチリアクションモニタリング(MRM)法は選択性能が優れており SIM 法の代替法として活用されていますが、揮発性有機化合物分析に適用した報告は限られます 2)。また、GC×GC 装置あるいは二重収束型や飛行時間型等の高分解能質量分析計を用いる分析法も選択性能に優れていますが、装置の普及の観点から GC/MS/MS (MRM) 法の適用は実際的と考えられます。本報では、有害大気汚染物質に分類される 51 種と光オゾン前駆物質 55 種(10 種が重複するので計 96 種)の GC/MS/MS(MRM) 法による同時分析法を開発し、環境試料の分析に適用した結果を報告します。

2019.09.16

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