ライフサイエンス
食品中のアレルゲン物質検査
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はじめに
我々の体には免疫機能があり,自分にとって異物(敵)となる物質(抗原)が体内に入ってくるとその抗原に対する抗体を作り体を防衛する働きがあります。これを「抗原抗体反応」あるいは「免疫反応」などといいます。そして,もう一度同じ抗原が体内に入ってくると,記憶されていた抗体が作用し,抗原と結びついて無害化します。 ところが,この免疫機能に狂いが生じて余分な抗体が体内に作られるようになったり,有害な抗体が作られてしまうことがあります。この狂いが原因でアレルギー疾患が起こります。 代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎(花粉症など),アレルギー性結膜炎,アレルギー性胃腸炎,気管支喘息,小児喘息,食物アレルギー,薬物アレルギー,蕁麻疹などがあります。 免疫は本来,体にとって害になる物から体を防御するものなのですが,体質によっては食品や花粉,ホコリなどの通常なら害のない物質にも防衛機能が働いてしまうことがあります。このような症状をおこす体質の人を「アレルギー体質」と呼んでいます。 アレルギー体質の人では,特定の物質が体に入り込むといつも抗体が異常に働いて特有の症状となって体に反応をおこさせます。
2016.07.11