TOC固体試料測定システムによるコンクリートのCO2吸収量評価

ダウンロード

ユーザーベネフィット

-コンクリートに吸収されたCO2の定量を抽出等の前処理をせず迅速かつ容易に行うことができます。(測定時間:6~8分) - 試料は最大1gまで測定できるので試料の偏在による影響を低減できます。 -全炭素量(TC)測定と無機体炭素量(IC)測定のどちらも測定が可能で、その差から有機体炭素量(TOC)も求めることができます。

はじめに

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減することは世界的な課題であり、カーボンニュートラルの実現に向けて各業界で様々な取り組みが行われています。建設業界では、コンクリートの材料であるセメントの製造過程で、多量のCO2が排出されることから、構成材料や製造工程の見直しが進められています。そのような取り組みの中で、大気中に排出されたCO2を回収し、材料中に吸収させる新規コンクリートの開発が注目されています。 セメントの使用量を減らすだけでなく、CO2を吸収する材料を利用することでCO2排出量を大幅に削減することが期待できます。具体的にはコンクリート材料にCO2を吸収する混和材料を混合し、コンクリート中に炭酸塩としてCO2を固定する方法などが挙げられます。 本稿ではTOC固体試料測定システムを使用して、コンクリート中に吸収・固定されたCO2の量を無機体炭素(IC)測定により評価した例をご紹介します。

2022.02.17