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はじめに

プリント基板製造の銅やニッケルのメッキ工程に使用されるメッキ液には有機性の添加剤が加えられています。添加剤はメッキ品質に影響するため,その濃度を管理することはプリント基板の品質確保に重要です。TOC計を使用すればこの有機物添加剤の濃度を管理することができます。 一般的に,メッキ液には数%以上の硫酸塩が含まれ,その妨害影響を避けるため,燃焼酸化式TOC計では100倍以上の希釈が必要です。一方,湿式酸化式TOC計ではそのような妨害影響を受けないため,試料希釈などの前処理を行う必要がなく,メッキ液中の低濃度の有機物も精度よく測定することができます。添加剤濃度が1,000 mgC/L以上と高く,高倍率の希釈が可能なメッキ液は,燃焼酸化式TOC計で測定可能ですが,添加剤濃度が100 mgC/L以下と低く,高倍率の希釈ができないメッキ液は,湿式酸化式TOC計の方が精度良く測定することができます。 また,プリント基板のメッキ工程では基板材料自身からの有機物溶出によるメッキ液の汚れが発生しますが,添加剤濃度の低いメッキ液ではこの有機性の汚れもTOC計で管理することができます。 今回は島津湿式酸化式全有機体炭素計TOC-Vwsを使用して銅メッキ液を測定した例をご紹介します。

2006.04.07

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