フードメタボロミクス トリプル四重極質量分析計LCMS™-8060NXを用いたワインの分析(その2)

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はじめに

メタボロミクスとは、細胞の活動によって生じるアミノ酸や有機酸などの低分子の代謝物を網羅的に解析し複数の試料群における差異を明らかにする学術分野です。食品分野でもその技術を応用し、食品の品質や栄養的価値を探る手法(フードメタボロミクス)として利用されています。 近年、ビールを中心にノンアルコール飲料に注目が集まっています。より本物に近い味・風味を持たせるために、製法の改良とともに、香気性成分や呈味成分等の成分分析の重要性が増しています。ワイン業界でも本物に近いノンアルコールワインへの関心が高まる一方で、偽造ワインも問題視されています。偽造ワインとは、高級ワインに安価なワインを混ぜたり、ラベルだけを貼変えて販売されているワインを言います。 アプリケーションニュース No. C226 では、産地やブドウ品種が異なるワインをフードメタボロミクスにより分析し、ワインの発酵プロセスや味との関係性の評価に応用できることを紹介しました。本報告では、ノンアルコールワインとワインの違い、クオリティー(格付け)ワインとテーブル(デイリー)ワインの違いを明らかにするための高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)によるフードメタボロミクスの事例を紹介いたします。

2020.11.29

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