直接イオン化法DART の応用(その1)LCMS-2020 を用いた食品中の脂肪酸・アミノ酸の迅速分析

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はじめに

DART(Direct Analysis in Real Time)は,試料を直接イオン化することができる方法であり,質量分析装置と組み合わせることで,分析対象の化合物を前処理なく迅速に分析することができます。サンプルを DART イオン源から放出されるガスにあててイオン化できれば,気体,液体,固体いずれの形状も分析可能です。 固形の食品中の特定成分の分析には抽出など煩雑な前処理が必要ですが,手間と時間がかかるため,簡便にスクリーニング分析できる方法が求められています。DART はそのような目的に適しています。 今回は,分析対象成分の前処理に時間を要する鰹節中の遊離脂肪酸とアミノ酸を,前処理なしで分析した例をご紹介します。 2013 年に世界無形文化遺産に登録された和食の必須アイテムである鰹節は,煮熟,焙乾,カビ付けなどの工程を経て製造されます。カビ付けにより風味がまろやかになると考えられています。かび付け前のものを “ 荒節 ”,かび付け後のものを “ 本枯節 ” と呼びます。今回は荒節と本枯節間の特性解析も行いました。

2015.06.30

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