食品・飲料
トリプル四重極質量分析計LCMS-8060NXによる食品中水溶性ビタミンの分析
ユーザーベネフィット
- 含有量が大きく異なる水溶性ビタミンも同時に定量することが可能です。 - IonFocus™ユニットが効率的にイオンをMSへ導入するため、イオン源をMS導入部から離しても高感度を維持しつつ高い装置頑健性を実現します。 - 調製粉乳や乳原料のような複雑な食品マトリクス中でも高い回収率を示します。
はじめに
ビタミンは、その性質により水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類されます。 水溶性ビタミンの一般的な分析手法としては、微生物法、蛍光法、HPLC法など複数の方法がありますが、HPLC法以外は単一のビタミンしか測定できないため、分析に時間と手間がかかるのが欠点です。一方、HPLC法では複数のビタミンを同時に測定することが可能ですが、ビタミンによっては食品中の含有量が微量で、複雑なマトリクス中では分析に支障をきたす場合があります。 LC/MS/MS法では、複雑なマトリクス中でも選択的かつ高感度に分析することができるため、より効率的にビタミンを一斉定量することが可能です。 LC/MS/MS法で食品のような複雑なマトリクスを測定する場合の問題としてMSの汚染があります。その対策の一つとして、イオン源をMS導入部から離すことによりその影響を抑える方法があります。LCMS-8060NXのIonFocusユニットは、効率的にイオンのみをMSへ導入するため、イオン源をMS導入部から離しMS部の汚染を低減しつつ、高感度分析を提供します。 本稿では、LCMS-8060NXを用いた水溶性ビタミン4種の分析法を構築し、食品の一斉分析を行った例をご報告します。
2021.09.20