トリプル四重極型LC/MS/MSを用いた水道水中の臭素酸分析(2)

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はじめに

水道水中の臭素酸は,浄水処理過程におけるオゾン高度処理などによって生成されます。IARC(1999)では、臭素酸カリウムはヒトで発がん性の可能性があるとされる GroupB2に分類されており、平成 16 年に厚生労働省により水質基準項目に設定されました。この際、臭素酸の試験法としてイオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法が定められています。(平成 15 年厚生労働省告示261号「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」第18)平成28年12月に厚生労働省より同方法の一部改正案に関する意見募集が実施され、臭素酸の新規検査法(案)に別表18の2液体クロマトグラフ-質量分析法として質量分析法が提案されました。 この新規検査法(案)を参考に、アニオン交換カラムを用いた分析法についての検討をご紹介しました。本報では新しい LC分離モードとして、ミックスモードカラム(マルチモードカラム)を用いたLC/MS/MS 分析について検討した結果をご紹介します。

2017.03.28