トリプル四重極型LC/MS/MSを用いた飲料水および環境水中のミクロシスチンの分析

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はじめに

アオコとは、池や湖沼等の水中で植物プランクトンが大量に増殖し水面に集積したもので、「水の華(Water bloom)」あるいは「藻類ブルーム(Algal bloom)」と呼ばれています。アオコを形成する植物プランクトンの中には有毒物質を産生するものがあり、ミクロシスチンはアオコにより生成される肝臓毒の一種です。 WHO による飲料水水質ガイドライン 1)では、ミクロシスチンの規制値を 1 μg/L 以下と定めています。ミクロシスチンには多くの類縁体が存在することが知られていますが、日本においては、ミクロシスチン LR が水道水質基準で要検討項目として指定されており、飲料水中に 0.8 μg/L という目標値が設けられています。 測定試料の前処理方法としては、固相抽出による濃縮とクリーンアップを施す手法が多く報告されています。本稿では、煩雑な前処理を省略し、水試料中のミクロシスチン LR, RR, YR を高感度に測定した例をご紹介します。

2019.11.05

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