低分子医薬品
トリプル四重極型LC/MS/MSによるヒト血清の脂質メディエータープロファイリング
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はじめに
脂質メディエーターは生理活性をもつ脂質の総称であり,生体内で様々な生理機能を担っています。近年の質量分析装置の高感度化と高速化により,極微量の脂質メディエータープロファイリングが可能になってきました。ここでは,高感度トリプル四重極型質量分析計LCMS-8060 による脂質メディエーターおよび代謝物の高感度一斉分析例をご紹介します。一斉分析メソッドは,「脂質メディエーターメソッドパッケージ ver.2」を用いました。Fig. 1 に,標準試料混合溶液の一斉分析クロマトグラムを示しました。高極性代謝物からアラキドン酸のような比較的疎水性の高い成分まで広範囲な脂質メディエーター関連物質をモニターできます。LCMS-8060 と従来機であるLCMS-8050 システムで得られた各成分のピーク面積を比較しました(Fig. 2)。評価した成分のうち,アラキドン酸(AA)およびその代謝物79 成分を表記しました。LCMS-8060 システムのほうがLCMS-8050 より平均して3.0 倍高感度でした。
2015.06.03