低分子医薬品
全自動前処理LC/MS/MS システムによる治療薬物モニタリングの効率化
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はじめに
治療有効域が狭い薬物や中毒域と有効域が接近し投与管理が難しい薬物による薬物療法に際しては,患者の薬物中濃度を測定し,個々の患者について薬物動態学的・薬学的な解析をもとに最適な薬量や投与法を設定する治療薬物モニタリング(TDM:Therapeutic Drug Monitoring)がわ れています。従来 TDM の主な分析手法としては高速液体クロマトグラフ(HPLC)などがいられてきましたが,近年では分析精度の向上を図るため,より選択性に優れる液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)がいられ始めています。 一方で清や漿などの試料を分析する際には,前処理として般に除タンパクや希釈などの操作が必要となりますが,この過程には作業者の手技に由来するバラつきやミスのリスクをともないます。また,試料数の増加に応じて作業者の負荷が増えるため,多数の試料について測定する際には連の分析ワークフローのなかで前処理過程がボトルネックとなることもあります。
2016.03.05