卓上型MALDI-TOF MSを用いた高質量タンパク質の検出

はじめに

今日、タンパク質解析への MALDI-TOF MS の応用は、ライフサイエンス分野では良く知られているところです。この分野で歴史のある分析法、SDS 電気泳動やサイズ排除クロマトグラフィーは時間を要し、分子量測定の精度が低いなどの短所があります。より正確な分子量情報を提供する MALDITOF MS は、タンパク質の一次構造の解析のための有力なツールとなっています。さらに、近年はフェムトモルおよびサブフェムトモルレベルでのタンパク質の分析がしばしば必要とされ、 MALDI-TOF MS の高感度測定に対する期待は高いものがあります。MALDI-TOF MS の質量範囲は原理的に無制限ですが、実用上においても低質量から抗体など高質量の分子まで完全に網羅することができます。モノクローナル抗体は、診断や治療目的に応用されており、その開発と品質管理のプロセスでは迅速かつ信頼性の高い分析方法を使用することが非常に重要です。 ここでは、ハイスループットかつ高感度にタンパク質を検出できる卓上型 MALDI-TOF MS（MALDI-8020）の能力を示します。

2017.10.16