卓上型MALDI-TOF MSを用いたリン酸化タンパク質の解析

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はじめに

MALDI-TOF 型質量分析計は、ESI(エレクトロスプレーイオン化)を利用した LCMS と共に幅広い分野で活用されている質量分析計であり、近年は合成物一般や高分子量化合物の簡便な分子量確認やプロファイリング用途として活用されることが多くなってきています。その理由として、このタイプの装置は、1 価イオンが生成し分子量が認識しやすい、質量範囲が広い、試料を乾燥してから測定するため溶媒の選択肢が広い、などの特長があるためです。 一方、ここ数年の社会情勢の変化などから、官庁大学・民間企業を問わず、このような用途の機器に関して、導入コストとランニングコストの双方の低価格化が強く求められてきました。卓上型 MALDI-TOF 質量分析計 MALDI-8020 はこのような市場ニーズに存分に応えることができる新製品です。本製品の特筆すべき点は、性能の要とも言えるフライトチューブが短くなったにも関わらず、従来機種と同等以上の性能を保持していることです。 近年の装置開発は高スペックを目標に推移し、MALDI-TOF質量分析計の開発においては、MS の高分解能や MS/MS による構造解析機能を持つリフレクトロンモードが注目されてきました。一方、リニアモードはその有用性が古くから知られてきましたが、近年は技術的に大きな進展が見られませんでした。例えばタンパク質の代表的な翻訳後修飾であるリン酸化の検出や、その他不安定な化合物でも分子量の確認にリニアモードが有効であることが知られています。 本アプリケーションニュースでは、卓上型 MALDI-TOF 質量分析計 MALDI-8020 を用いてリン酸化タンパク質の消化物を測定し、リン酸修飾の解析を行った例を紹介します。

2017.10.16

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