siRNA型オリゴヌクレオチドのLCMS-8060 による定量分析と分子量確認

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はじめに

核酸医薬品は、標的 RNA やタンパク質に特異的に結合するようにデザインされた合成オリゴヌクレオチドです。これまでに承認されている核酸医薬品の多くはアンチセンス型ですが、その他にもアプタマー型と siRNA 型が承認されています。核酸医薬品の多くは 20 塩基程度であり、分子量は6000 程度になります。原薬の分子量確認には MALDI-TOF 型や Q-TOF 型の LC/MS などの精密質量分析が用いられます。 一方、薬物の血中動態解析などの定量分析では、高感度でダイナミックレンジの広いトリプル四重極型質量分析計が汎用されています。 ここでは、siRNA 型核酸医薬品の原薬分析を想定し、合成二本鎖オリゴヌクレオチドのトリプル四重極型質量分析計LCMS-8060 による分析例を紹介します。SIM(Selected ionmonitoring)による定量性の確認を行いました。SIM モードによる検量線作成では、1 fmol~10 pmol の範囲で直線性を確認できました。加えて、多価イオン質量スペクトルのデコンボリューションにより分子量を確認しました。

2020.06.17