トリプル四重極質量分析計を用いたヒト血漿中胆汁酸の測定

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ユーザーベネフィット

- 血漿に含まれる胆汁酸を網羅的に測定することができます。 - 装置のチューニングなどを実施せずに、長期間にわたって安定した分析が可能です。

はじめに

胆汁酸は小腸における脂肪の吸収に重要な役割を果たすほか、コレステロールから胆汁酸への変換を介して、コレステロール代謝の調節に関与していると言われています1)。肝臓でコレステロールの異化により、一次胆汁酸が産生され、多くはタウリンまたはグリシンと結合し、抱合胆汁酸が合成されます。一部の一次胆汁酸は、後に腸内細菌により修飾され、二次胆汁酸が産生されます。 ヒト抹消血中の総胆汁酸濃度は、肝機能障害のマーカーとして知られており、血液酵素活性(ALT、AST等)や総胆汁酸測定(TBA)が広く実施されています。一方、複数の胆汁酸を個別にモニタリングすれば、多様な肝障害を識別できる可能性があるため、胆汁酸の一斉分析は注目を集めています。本稿では、ヒト血漿中22種の胆汁酸を9種の内部標準物質を用いて定量分析しました 。 分析には「LC/MS/MSメソッドパッケージ 胆汁酸」を用いました。本パッケージには、LC/MS/MSのために最適化されたLCやMSの各種設定条件が含まれています。装置は高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS-8060を用いました。

2022.02.28