タンデムマス・スクリーニングにおけるC5アシルカルニチンの識別

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ユーザーベネフィット

- 特別な試薬・装置を用いることなく、通常のタンデムマス・スクリーニングで使うメソッドを少し変更するだけでC5アシルカルニチン(イソバレリルカルニチン、ピバロイルカルニチン)を識別できます。

はじめに

新生児マススクリーニングでは、アミノ酸・有機酸・脂肪酸代謝異常症を見つけるために、LC/MS/MSによるフローインジェクション-タンデムマス法でろ紙血中のアミノ酸およびアシルカルニチンを測定します。フローインジェクション法はスループットの点から優れた方法ですが、通常はカラムを用いないため異性体を識別できません。例えば、C5アシルカルニチンには、イソ吉草酸血症の関連代謝物であるイソバレリルカルニチン(i-C5)以外に、異性体としてピバロイルカルニチン(p-C5)、2-メチルブチリルカルニチン、n-バレリルカルニチンが存在します。p-C5はピボキシル基を含む抗菌薬を投与することにより体内で生成されることが知られていますが、フローインジェクション-タンデムマス法では、i-C5とp-C5を識別できません。そのため、p-C5による偽陽性の報告は特に多く、偽陽性を減らすための測定法が求められています。本アプリケーションニュースでは、確認イオンを用いたi-C5とp-C5を識別するための技術(特許出願中)をご紹介します。

2021.09.02

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