ライフサイエンス
トリプル四重極LC/MS/MSを用いたメタボロミクスによる超好熱菌の炭素代謝解析
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ユーザーベネフィット
- 親水性代謝物向けに確立されたReady to useメソッドに、有機酸成分を追加しました。 - イオンクロマトグラフィーでは検出困難な有機酸が、複雑な検討なしに一斉分析できます。 - 微生物の培養上清や菌体内代謝物を試料として、再現性の高いデータが得られます。
はじめに
Thermococcus kodakarensisは至適生育温度を85℃に持つ絶対嫌気性の超好熱性アーキアであり、超好熱菌研究のモデル微生物として様々な研究が進められています。超好熱菌由来の酵素は高度に熱安定であり、本菌由来のDNAポリメラーゼがPCR用酵素として市販されています。また本菌は培養条件によっては水素を発生しながら生育するため、水素の発酵生産菌としても注目されています。 筆者らは本菌におけるアミノ酸・有機酸の代謝について知見を得るために、トリプル四重極型質量分析計LCMS8050(図2)を用いて本菌の培養上清ならびに菌体内代謝物を分析しました。従来のイオンクロマトグラフィー分析では検出できなかった有機酸について分析条件を確立し、アミノ酸をはじめとする一次代謝物との一斉分析を可能にしました。
2021.08.04