ライフサイエンス
マウス脳内微小器官中のエポキシエイコサノイド定量分析法の開発
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ユーザーベネフィット
- エポキシエイコサノイドの高感度定量分析が可能です。 - 15分サイクルで分析できます。 - エポキシエイコサノイドの新機能解析や疾患マーカー探索にご利用ください。
はじめに
アラキドン酸から生じる生理活性脂質には、プロスタグランジン類やロイコトリエン類の他に、エポキシエイコサノイド(Epoxyeicosatrienoic acid、EET類)と呼ばれる一群があります。EET類はアラキドン酸からCytochrome-P450(CYP)により生成します。5(6)-EETについては血管弛緩などの生理機能を有する脂質メディエーターとして報告されています。著者らが開発したLC/MS/MSメソッドパッケージ脂質メディエーター ver. 3では、EET類を含めた脂肪酸代謝物196成分の網羅的分析が可能です。この網羅的分析法では20分間のリニアグラジエントで分析しますが、EET類は他の脂肪酸代謝物に比べて疎水性が高く、18分以降に溶出します。 本稿では、マウス脳内微小器官(終板脈管器官)中のEET類の定量分析法の開発について紹介します。ヘプタコシル基を基材とするカラムを用い、EET類が8分~9分に溶出する分析条件を開発し、カーブグラジエントによりEET類の分離度は著しく改善しました。本手法により、1 mgに満たないマウスの脳内微小器官について、5(6)-EETと8(9)-EETの定量分析ができました。
2021.04.18