食品・飲料
Nexeraポストカラムアミノ酸分析システムを用いた食品の分析
はじめに
アミノ酸は、人間の体を作るたんぱく質を構成する重要な栄養素です。古くからたんぱく質の構造解析や病気の診断などの研究用途をはじめ、食品や製薬の品質管理など様々な分野でアミノ酸の分析が行われてきました。近年は分析の高速化に対する要求が増しており、より迅速に分析が可能なオンラインプレカラム法が開発*されました。一方で、ポストカラム法は分析時間はかかるものの、測定対象となるアミノ酸も豊富で、現在でも多く採用されています。当社のポストカラム法は、陽イオン交換カラムを用いたグラジエント溶出法で各成分を分離後、検出に o-フタルアルデヒド(OPA)による蛍光誘導体化法を用いた自動分析システムです。OPA は感度、直線性に優れており、プロリンなどのイミノ酸についても、感度良く検出することが可能です。本手法では分離後に反応が行われるため、試料に含まれる夾雑物の影響を受けにくく、アミノ酸を高感度、かつ高い選択性で検出することができます。分離手法としては、加水分解型アミノ酸分析用の Na 型と、遊離アミノ酸分析用の Li 型の 2 つの分離モードがあります。それぞれの分離モードに最適なタイムプログラムを使い、アミノ酸の一斉分析を行いますが、専用の移動相キット、および反応液キットを用いることで、調製の手間なく精度の高いアミノ酸分析を行うことができます。 本稿では、新しく発売しました「Nexera ポストカラムアミノ酸分析システム」を用いた食品中のアミノ酸分析例をご紹介いたします。
2020.07.30