Nexera-e およびフォトダイオードアレイ検出器SPD-M30A を用いた葛根湯の分析(1)

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はじめに

葛根湯(かっこんとう)は発汗促進作用や,消炎,鎮痛効果があり,風邪,頭痛,肩こりなどに効果があるといわれています。葛根,麻黄,甘草,芍薬などよりなる方剤で,多くの有効成分を含み,代表的なものとしては,エフェドリン,グリチルリチン酸,桂皮酸などが知られています。生薬では,品質管理などの目的で多成分を同定する必要がある場合があり,複雑な成分を相互分離するためには,包括的 2 次元液体クロマトグラフ Nexera-e の利用が有効です。 一般に,包括的 2 次元液体クロマトグラフィーでは,1 次元目と 2 次元目に異なる分離モードを選択してその分離選択性の差異によって,それぞれの次元の単独分析では分離困難であった成分の分離を改善します。ここでは,1 次元目に逆相中性条件によるセミミクロスケールの分離,2 次元目には逆相酸性条件による超高速分離を組み合わせ,主に pH による選択性の違いを利用した包括的 2 次元分離を試みました。生薬類は比較的極性の大きな成分を多く含む場合が多いことから,pH 条件の設定は分離の最適化に重要なパラメータと考えられます。代表的な事例として,グリチルリチン酸の定量を行いました。

2015.03.23

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