医薬品中のイオン分析(その3)イオンクロマトグラフィーによるカウンター陽イオンの分析

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はじめに

アプリケーションニュース No.L387では,イオンクロマトグラフィーを用いた医薬品中のカウンターイオン分析と不純物イオンの分析例をご紹介しました。カウンターイオンの違いにより,医薬品有効成分(Active Pharmaceutical Ingredients : API)としての物理化学的・薬物動態的な性質が変わるため,医薬品開発段階では様々なカウンターイオンが選択され,最適な塩が選択されています。また,合成段階で使用する触媒やイオンなどの無機不純物の残存が製品の溶解性や安定性などに影響を及ぼすことがあり,不純物としてイオンを分析することも非常に重要です。イオンクロマトグラフィーを用いることで,医薬品中の不純物として含まれる微量なイオンを高感度に分析することが可能です。また,溶離液に有機溶媒を添加することで,主成分をよりすばやく溶出させることが可能となり,分析時間の短縮につながります。 ここでは,医薬品中の主なカウンター陽イオンであるナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウムの分析例をご紹介します。

2014.09.08