Prominence アミノ酸分析システムによるヒスタミンとチラミンの分析

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はじめに

不揮発性腐敗アミンであるヒスタミンやチラミンは,アミノ酸であるヒスチジン及びチロシンから微生物の作用によって分解されて生成します。マグロ類,カツオ類,サバ類等の赤身魚やその加工品などのヒスタミンを多く含む食品を摂取すると,じんましんや発熱,動悸などの食中毒症状が現れます。ワインやチーズなどの発酵食品でも食中毒の報告例があります。また,チラミンはヒスタミンの毒性を強めたり,食品による片頭痛の原因物質として報告されています。 ヒスタミンに関しては,日本では規制が行われていませんが,アメリカ,EU などの諸外国および Codex(食品の国際規格)では,魚及びその加工食品に対して規制値が定められています。 ヒスタミンやチラミンは,アミノ酸と同様にアミノ基を含むので,オルトフタルアルデヒド(OPA)による誘導体化を用いた蛍光検出が可能です。ここでは,ポストカラム蛍光誘導体化法で検出する Prominence アミノ酸分析システムでヒスタミンとチラミンを分析した例をご紹介します。キット化された移動相および反応液を用いることにより,移動相調製の煩わしい手間を省くことが可能です。また,ここでの試料の前処理はろ過と希釈のみですので,複雑な処理を行うことなく分析することができます。

2021.03.28

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