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はじめに

フモニシンは,フザリウム属のカビなどにより生産されるカビ毒の一種であり,トウモロコシやイネなどにおいて検出されることがあります。この物質は,ウマの白質脳炎の原因物質であることが判明したり,ヒトの食道ガンの原因物質のひとつと推定されるなど,大きな関心を集めています。 フモニシンはその構造の中に一級アミノ基を有するため,分析にはο-フタルアルデヒド(OPA)などにより蛍光誘導体化し,HPLC分析する方法が広く用いられています1-3)。この反応は試薬と混合し室温で放置するだけで非常に速やかに進行するため,試薬混合機能付きのオートインジェクターを用いれば,自動で行うことが可能です。 ここでは,OPAと3-メルカプトプロピオン酸を反応試薬として用いたプレカラム誘導体化-HPLC法によるフモニシンB1とB2の分析例を紹介します。また,オートインジェクターにより誘導体化反応を自動化したときの再現性や,実試料への適用例についてもあわせて紹介します。

2008.06.02

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