環境
肥料中のメラミン及びその関連物質の一斉分析
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はじめに
肥料,農薬,土づくりなど多くの効果がある石灰窒素は,品質の良い野菜の生産する上で必要不可欠です。昨今,石灰窒素に水を加えて造粒する石灰窒素水和造粒品の中に,メラミンが副次的に生成され,含有量が高い製品があることが確認されました。農作物が土壌からメラミンを吸収する可能性があり,健康被害を引き起こす可能性が示唆されつつあります。例えば,メラミンとその関連物質であるシアヌル酸が同時に生体内に取り込まれることで結晶が生じ,腎臓の機能に障害を受けることが推定されています。 このことから,石灰窒素中のメラミン濃度の暫定許容値を0.4 % と設定する旨が,農林水産省消費・安全局より,通知されています。 ここでは,独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)監修の肥料等試験法(2016,8.1.c)に準拠し,肥料中のメラミン及びその関連物質であるアンメリン,アンメリド,シアヌル酸の前処理及び分析例をご紹介します。
2016.09.27