低分子医薬品
新型フォトダイオードアレイ検出器SPD-M40を用いた医薬品中不純物分析
はじめに
薬品中の不純物は、安全性の観点よりその含有量は適切に管理される必要があります。日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)の新有効成分含有医薬品のうち原薬の不純物に関するガイドラインと製剤の不純物に関するガイドラインなどでは、不純物に関する閾値が決まられています。医薬品中の0.1 %以上の不純物については、当局への報告、構造決定ならびに安全性確認を実施する必要があります。そのため、医薬品の開発・製造のプロセスにおいて、微量な不純物の定量は非常に重要です。面積百分率を用いた医薬品中の不純物の濃度測定では、以下のような手順で実施されています。主ピークの高さが、検出器の直線性が十分に確保できる範囲内になるような濃度に標準溶液を調製して分析を行います。よって、検出器のダイナミックレンジが広くなければ低濃度の不純物の検出が難しくなるため希釈率の異なる複数のサンプル分析が必要となってしまいます。 新型フォトダイオードアレイ検出器 SPD-M40 は、検出時の迷光による影響を徹底的に排除し、広いダイナミックレンジ(仕様値として 2.5 AU までの直線性、Typical 値ではそれ以上)を有しているだけなく、PDA 素子の高感度化により低ノイズ化を併せて実現しています。また、Advanced TCOptics(セル、光源、光学系の3重温調)による揺らぎの小さい安定したベースラインでの分析が可能であり、医薬品に含まれる微量不純物分析に最適です。 今回は SPD-M40 を用いた医薬品中不純物分析を行った例を紹介します。
2019.04.03