一体型LCシステムNexera-i MTを用いたイルベサルタンの分析

ダウンロード

はじめに

近年、超高速液体クロマトグラフ(以下 UHPLC)が浸透しつつあり、今後は薬局方にも UHPLC の分析条件が収載されることが増加すると見込まれます。しかしながら、一般的に品質管理などの製造部門ではまだ UHPLC の浸透は浅く、UHPLC 市場全体に占める割合は 9 %です(研究開発では38 %)1) 。そのため、薬局方に収載された分析条件をそのまま品質管理部門で適用することが難しい場合も考えられます。 第十七改正日本薬局方第一追補にて新規収載されたイルベサルタン・アムロジピンベシル酸塩錠 2) は、充てん剤粒子径が 2.2 μm のカラムを用いることから、UHPLC を使用します。そのため、装置耐圧などの問題により、分析条件がそのまま適用できない可能性があります。 そのような中、厚生労働省医薬・生活衛生局からの通知(薬生審査発 0331 第 1 号)には、「本品目に該当する医薬品については、当該医薬品各条の改正を前提として、適切な分析バリデーションデータに基づき、コンベンショナルな(従来型の)液体クロマトグラフィーを使用した試験条件の設定を行い、承認申請することが可能である。」と記載されており、局方収載条件をコンベンショナル(以下 HPLC)条件へ変更することも認められているとも考えられます。 ここでは、第十七改正日本薬局方第一追補にて新規収載されたイルベサルタン・アムロジピンベシル酸塩錠のイルベサルタン定量法について、当社一体型 LC システム NexeraTM-i MT(以下、Nexera-i MT)を用いたシステム適合性試験、およびHPLC 分析への分析条件移行例をご紹介します。

2018.02.25