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はじめに

グリチルリチン酸(C42H62O16;M.W.=822.92,Fig.1に化学構造式)は,生薬として知られる「甘草(カンゾウ)」の成分であり,一般的に抗アレルギー,抗炎症,解毒作用などの薬理作用があることが知られています。 大きな毒性も認められないため,胃腸薬,目薬,アレルギー性鼻炎薬などの市販薬だけでなく,育毛剤,入溶剤,シャンプー,ローションなど化粧品にも含有されており,私たちの生活の中でもよくお目にかかる化学物質です。 特に化粧品については,本年度(平成13年度)4月1日以降に製造され,または輸入されたものについては,全成分表示が厚生労働省により義務付けられるようになり,最近特に分析手法についてのお問い合わせを多くいただいています。 今回はさまざまな化粧品中のグリチルリチン酸の分析方法について前処理を含めてご紹介します。(なお,よくグリチルレチン酸と混同される場合がありますが,グリチルレチン酸は,グリチルリチン酸を加水分解したものからグルクロン酸を取り除いたもので別成分となります。)

2008.06.02