イオン交換クロマトグラフィーを用いたオリゴヌクレオチド分析における移動相pH変化が分離に与える影響と対応策

ダウンロード

ユーザーベネフィット

- 短鎖オリゴヌクレオチドを塩基単位で再現よく分離できます。 - 目的のオリゴヌクレオチドを、化学合成過程で使用される保護基などの不純物とも分離することができます。 - 移動相のpH変化を管理することで安定した分析結果を得ることができます。

はじめに

アンチセンスオリゴヌクレオチドなどに代表される核酸医薬品は、細胞内外の標的遺伝子などとの相互作用により薬効を発揮します。従来の低分子医薬品と異なり、遺伝子レベルで疾病原因を抑制することから、抗体医薬品に次ぐ次世代医薬品として注目されています。核酸医薬品は主に化学合成により製造されますが、その合成工程で伸長不良や保護基の除去不良などによる多くの不純物を生じるため、目的のオリゴヌクレオチドの適切な分離・精製が大きな課題となっています。 本稿では、合成目的の配列のオリゴヌクレオチドと鎖長の異なる配列を合成工程由来の不純物と想定し、りん酸基などを含む金属配位性化合物の吸着を抑制するために設計されたイナートUHPLCシステム“Nexera XS inert”を用いたイオン交換クロマトグラフィーにより分離した例をご紹介します。さらに、移動相pH変化の分析結果への影響について検討した結果についてもご報告します。

2022.01.25