ライフサイエンス
ELSD-LT IIIを用いた目薬中のコンドロイチン硫酸エステルナトリウムの分析
ダウンロード
はじめに
コンドロイチン硫酸はムコ多糖の一種であり、細胞や軟骨などの多くの組織に含まれています。コンドロイチン硫酸は角膜保護や関節痛改善などの効能があることから、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(一般名、総称はコンドロイチン硫酸ナトリウム、以下 SCS)として目薬やサプリメント中にしばしば含まれています。 SCS は UV 吸収がほとんどないため、HPLC の検出器としてよく用いられる紫外可視吸光度(UV)検出器では検出できず、示差屈折率検出器(以下 RID)や蒸発光散乱検出器(以下 ELSD)が用いられます。ELSD は不揮発性試料であればほぼ全ての物質で分析することが可能であり、汎用性が高い検出器です。グラジエント溶離も可能なため、RID 使用時と比較し、分析時間の短縮や感度の向上を図ることが出来ます。 そのため、糖類や脂質など様々な分析に用いられています。ここでは検出器に ELSD-LT III を搭載した Nexeraシリーズでの目薬中の SCS の分析例をご紹介します。
2020.09.29