石油化学
GC/MSによる有機リン系農薬の分析
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はじめに
スミチオンやマラソンなど家庭園芸で知られる農薬は,有機リン酸エステル系農薬(有機リン剤)として広く農作物に使用されています。この系統の農薬は,分解しやすいという性質をもっているため,ガスクロマトグラフの分析で充填カラムを用いて測定するとき,担体の種類によっては,目的成分が吸着してピークが現われないか,テーリングの大きいピークとなって微量分析が困難になり,さらに分解ピークが多く現われ,どのピークが目的成分か判別できないことがあります。 溶融石英キャピラリカラム(FSキャピラリカラム)は,カラム中での分解や,テーリングが大変少ないのでこの種の農薬分析には最適のカラムといえます。一方,有機リン剤は,多くの商品が開発され,現在も医薬品と同様に,最も効果の高い農薬を求めて新しい農薬が研究されています。このアプリケーションニュースでは,有機リン剤19成分についてFSキャピラリカラムを取付けたGCMS-QP2000を用いて分析したデータを紹介します。
2021.03.28