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はじめに

香料には天然香料と合成香料がありますが,いずれも多くの成分が複雑にからみあって,一つの香りを形成しています。また同じ香気成分からできている香りも各成分の組成割合が違うと全く異なった香りとなります。 このような複雑な組成をもつ香料の分析にはキャピラリカラムを用いたGCやGC/MSが有効です。GC/MSによる測定では,成分の同定にEIマススペクトルでのデータ検索システムを用いて行います。香りの成分は比較的含酸素化合物が多く,この含酸素化合物はEIマススペクトルで分子量を示す分子イオンピークが出現しない場合があるため,データ検索システムだけで同定することは困難なことがあります。その場合CIマススペクトルの測定を行うと,EIマススペクトルで分子イオンピークが出現しない化合物でも,CIマススペクトルでは擬似分子イオンピークが強く出現するため分子量が容易にわかり同定を行う手助けとなります。

2021.03.28

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