食品・飲料
加熱調理時に発生する香りの評価
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はじめに
食品の風味や香りは、味と共に商品の売れ行きに関わる重要な要素です。昨今、食の意識の高まりにより、高機能・高品質の食品開発が行われており、実際に利用される場面で発生する香気を評価したいというニーズが高まっています。 食品の香りには、食品自体がもつ香りと食品を加熱した時に生じる香り(加熱香気)があり、加熱調理前には生臭く感じる食品でも、加熱によって臭みが消失し、独特のロースト感を帯びるなど、香気成分に変化が生じます。このような加熱時独特の香りの形成には、メイラード(アミノカルボニル)反応が重要な役割を果たしており、この過程で生じる生成物には特徴的な香りを帯びるものも存在します。 本稿では、醤油の加熱調理時と未加熱時の香気成分の違いを評価しました。それぞれの条件下で検出された香気成分を多変量解析ソフト「Signpost MS™(Reifycs 社)」により比較して加熱時と未加熱時に特徴的な成分を探索した結果を紹介します。
2019.12.22