食品・飲料
GC/MSによる2-アルキルシクロブタノンの分析―放射線照射食品の検知―
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はじめに
食品照射とは、食品にエックス線やガンマ線といった放射線を照射することによって,食品に付着した微生物を死滅させ、食品の長期貯蔵を可能にする技術です。この技術は、香辛料や肉類などに対して世界中で多く利用されていますが、日本においては、ばれいしょの発芽防止目的以外での使用は原則認められていません。 2-アルキルシクロブタノンは、放射線照射によって食品中の脂質から特異的に生成します。ルシクロ2-生ブタノンは脂質の脂肪酸組成によりアルキル基が異なりますが、パルミチン酸由来の2-ドデシルシクロブタノン(以下、2-DCB)とステアリン酸由来の2-テトラデシルシクロブタノン(以下、2-TCB)が主な生成物として知られています。これらは非照射食品からは検出されないことから、照射検知の指標として欧州標準規格法(EN1785)や、厚生労働省の定める放射線照射された食品の検知法のひとつ(アルキルシクロブタノン法:厚生労働省 平成22年3月30日付 食安発 0330号3第)に採用されています。 本アプリケーションニュースでは、脂肪を抽出可能な食品(牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、カマンベールチーズ等)を対象したアルキルシクロブタン法に準拠した2-アルキルシクロブタノンの分析例についてご紹介します。
2011.04.26