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はじめに

食品の多くはきわめて多くの成分で構成されており、同じ食品でもその品質は完全に同一ではないことがあります。品質の違いは食品を構成する成分の微妙な違いに由来すると考えられるため、昨今では包括的な品質評価を目的とした、構成成分の網羅分析が注目されています。一方で、味、におい、劣化の度合いなど、人による主観的な食品の性質を構成成分から予測・判別するためには、構成成分と主観的性質の関係について、予めその対応が明らかな既知のサンプル群から学習を行い、その学習結果を元に未知サンプルの予測・判別を行うという手法が有効と考えられます。 本アプリケーションニュースでは、牛肉の品質に関して、適切に冷蔵保存されているものと、40 ℃環境に 3 時間暴露され劣化が進んだと考えられるものを準備し、それらを200 ℃に加熱したときの揮発成分の分析結果から判別が可能かどうか検証しました。事前にそれぞれのサンプルの既知データを識別器に学習させて、これを品質の定義とし、その後その結果を元に未知データを判別させ、その正答率を算出しました。クロマトグラムの比較や、ピーク面積値の主成分分析だけでは判別が難しいサンプルでも、識別器としてサポートベクターマシン(SVM)を使用した場合、95.8 %の確率で正答することができました。

2021.03.28

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