食品・飲料
NCIは反応ガスの選択で感度がかわります―カプサイシン―
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はじめに
質量分析計では分子をイオン化し,その質量を測定します。このイオン化方式に各種あり,通常はフィラメントから発生する熱電子で分子をイオン化する電子イオン化法(EI法)を用います。この方法の特長は,分子の開裂したイオン(フラグメントイオン)が元の分子構造を示唆します。しかし,化合物によって分子量を示す分子イオンピークが現れない場合があり,そのような際には,化学イオン化法(CI法)が用いられます。この方式はあらかじめ導入したガス(反応ガス:メタン,イソブタン,アンモニア等)をイオンにし,そのイオンと分子の分子反応で化合物をイオン化します。このイオンには正イオン,負イオンがあり,正イオンのCIをPCI,負イオンのCIをNCIと呼びます。この反応ガスは目的の化合物により,選択する必要があります。 ここでは反応ガスにより,検出感度に差が生じた例を示し,反応ガスの選択が必要なことをご紹介します。 測定対象化合物にトウガラシの辛味成分である「カプサイシン」を例に取り上げます。
2008.04.22