GCMSを用いた電子タバコリキッド中のフタル酸エステルの定量

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ユーザーベネフィット

- National Food Safety Standards : Determination of Phthalates (GB 5009.271-2016) Method II を参考に、電子タバコリキッド中のフタル酸エステル含有量を定量することができます。 - 電子タバコリキッドに含まれるフタル酸エステルの各成分について、再現性良く分析することができます。

はじめに

電子タバコは、タバコを模した電子機器で、香料などを含む溶液(電子タバコリキッド:E-liquid)を電気的に加熱し、蒸気のような煙を発生させて使用します。 E-liquidはグリセリン、プロピレングリコール、水などの主成分と、香料、植物エキスなどの添加剤で構成されています。 この E-liquidの製造や包装の過程で、ヒトに有害な不純物が混入する場合があります。混入する可能性のある不純物の一つとして、フタル酸エステルがあげられます。フタル酸エステルは、ヒトや動物の体内で、内分泌を阻害し、肝臓や腎臓の機能に影響をおよぼすことのある化合物です。 近年、電子タバコ利用者が急増していることから、多くの国や市民団体が、製品の安全性を保つために、電子タバコの規制を開始するための基準を開発しています。 China Electronics Chamber of Commerceは、電子液体中の多くの不純物を厳しく制限する団体規格である、E-Liquid Safety and Technical Specifications (Draft for Comment) を開発しています。本規格において、フタル酸エステルの総質量は、60 mg/kgを超えないことが規定されています。 本稿では、この規格と、National Food Safety Standards :Determination of Phthalates (GB 5009.271-2016) Method IIを参考にして、GCMS-QP 2020 NXを用いてE-liquid中のフタル酸エステルの定量を行いました。

2022.03.17

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