環境
要調査項目(ホルムアルデヒド)のNCIイオン化法による高感度分析
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はじめに
平成10年6月,環境庁により作成された,「水環境保全に向けた取り組みのための要調査項目リスト」に,およそ300の化合物が示されています。平成11年12月に環境庁水質保全局水質管理課より出された調査マニュアルの中には,分析対象物質としてホルムアルデヒドの分析法が記載されています。それによると,PFBOA(ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン)により誘導体化(Scheme 1)されたPFBOAホルムアルデヒドをGC/MSで測定する方法が指定されており,EI法によるSIM測定で定量することが指示されています。 今回,このPFBOAホルムアルデヒドの測定を,指定されているEI法による測定のほか,NCI化(負化学イオン化法)による測定も行ないました。 NCI法は分子-イオン反応や電子捕獲等によって生成する負イオンを検出する方法であり,PFBOAホルムアルデヒドのようなハロゲン系化合物や電子親和性の大きい化合物に対して高感度の分析が可能です。 PFBOAホルムアルデヒドのNCI法によるSIM測定では,EI法に比べ100倍以上の高感度(10ng/L)で測定が可能であるとわかりました。NCI法を用いれば,ホルムアルデヒドのより高感度な検出が期待されます。
2008.04.22