GC/MS/MS 法またはGC/QMS 法を用いた塗膜くずのPCB 含有量試験

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はじめに

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、その毒性が社会問題となり、1972 年に製造・輸入及び新たな使用が禁止されました。PCB 含有廃棄物については、PCB 含有量が低濃度であっても焼却による無害化処理を行います。PCB は塗料の一部にも可塑剤として使用され、橋梁等の建造物塗装に使用されます。これら建造物塗装の修繕等で発生する塗膜くずは低濃度PCB 含有廃棄物として焼却処理されます。 これら塗膜くずの PCB 含有量を測定する方法として、2019 年 10 月に環境省より『低濃度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法(第 4 版)』が公表されました。塗膜には PCBが可塑剤として用いられた塩化ゴム系塗料が多く使用されており、ECD 測定等では適切な分析が困難となる場合が多いことを理由に、ガスクロマトグラフ(GC)に接続する検出器が質量分析計(MS)に限定されました。 本稿では、GC/MS/MS 法および GC/QMS 法による塗膜くずの PCB 分析例を示します。

2020.04.02