
低分子医薬品
近年,(いわゆる脱法ドラッグ)の乱用が後を絶たず,また,向精神薬などの医薬品や農薬を用いた犯罪や中毒事件も増加傾向にあり,社会的な問題となっています。科学捜査研究所や大学の法医学研究室では,ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)を用い,これら薬毒物の分析が行われています。これらの薬毒物の検出には,MS分析条件と薬毒物ごとのデータ処理条件の検討が必要です。それらの煩雑な作業を省くために,弊社は向精神薬,睡眠薬,覚せい剤や農薬など1000種類に及ぶ薬毒物分析用の“GC/MS法薬毒物データベース”を開発しました。過去に乱用された薬毒物を中心に標準試料の入手困難な薬毒物や代謝物が登録された法薬毒物分析に最適なデータベースです。また,データベースにはマススペクトルライブラリのほかに薬毒物名,定量・確認イオン,標準マススペクトルと保持指標が登録されたメソッドファイルが含まれています。 本アプリケーションニュースでは,メソッドファイルを用いた簡便かつ迅速な薬毒物の検出方法と半定量法についてご紹介します。
2021.03.28