低分子医薬品
#N/AGC-BID によるギ酸の高感度分析 -人工光合成の研究におけるギ酸の高感度分析-
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はじめに
人工光合成とは,光触媒と太陽光エネルギーを利用して高エネルギー物質を作り出す技術を指し,次世代の再生可能エネルギーとして期待されています。研究テーマの一つである光化学的二酸化炭素還元反応では,反応生成物としてギ酸が主に生成する場合があります。ギ酸の分析には,一般的に,液体クロマトグラフ,イオンクロマトグラフ,キャピラリ電気泳動などの機器が用いられていますが,有機溶媒中に溶け込んだギ酸を分析するためには水や移動相で10倍以上に希釈する必要があり,低濃度分析が難しい場合がありました。 一方,ガスクロマトグラフ(GC)は,有機溶媒を希釈せずに直接測定することが可能であり,ギ酸を高感度に検出するBID-2010 Plus を使用することで,ppm オーダーでの分析が可能となります。 本アプリケーションニュースでは,人工光合成の研究で用いられる,N,N-ジメチルアセトアミドを溶媒とした実試料中に含まれるギ酸を,GC-BID を用いて分析した例をご紹介します。なお,低濃度ギ酸分析時の注意点については,アプリケーションニュース G279 もあわせてご参照下さい。
2018.10.17