ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂中の塩化ビニルの分析

はじめに

食の安全・安心に関する関心の高さから，食品包装材に残留する有機溶剤類が注目されています。「食品衛生法-食品，添加物等の規格基準 第3器具および容器包装」には，食品包装材の材質ごとに規格や基準が定められ，試験方法が示されています。 ポリ塩化ビニルは，透明で非晶性のプラスチックで，可塑剤と混ざりやすく配合比によって柔軟性の異なる材質を得ることができることから，食品容器やラップフィルム，手袋など様々な用途で使用されています。塩化ビニルはポリ塩化ビニルの原材料モノマーであり，ポリ塩化ビニルの熱分解によっても生成します。また，発ガン性を有すると報告されており，材質試験により材質中の塩化ビニル濃度が規制されています。 本アプリケーションニュースでは，ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂中の塩化ビニルの分析例についてご紹介します。

2010.07.21