ヘッドスペースGC法による医療用具中の 残留エチレンオキサイド分析（水抽出）

ユーザーベネフィット

- JIS T 0993-7:2012を参考に、水を溶媒に用いた溶媒抽出ヘッドスペースGC法による医療用具中の残留エチレンオキサイド（EO）の分析条件を作成しました。 - 抽出溶媒に水を使用することで、環境にやさしく安全で安価な分析が可能になりました。

はじめに

医療用具の滅菌方法としてエチレンオキサイドガス（EOG）滅菌があります。EOG滅菌後の医療用具における残留エチレンオキサイド（EO）濃度について、国際標準化機構のISO 10993-7:2008や、ISOに基づいて制定された日本工業規格のJIS T 0993-7:2012に規定されています。規格には模擬使用抽出と徹底抽出があり、徹底抽出においてはガスクロマトグラフィー（GC）を使用した溶媒抽出ヘッドスペース(HS)-GC法があります。抽出溶媒はサンプルやその使用目的に応じて選択する必要がありますが、抽出溶媒に水を使用する分析は環境にやさしい分析として注目されています。 本稿では、JIS T 0993-7:2012の「K.4.4 エタノールによる徹底抽出及びエタノール抽出液のヘッドスペースガス分析」を参考にして、抽出溶媒に水を使用し、残留EOの抽出を行った結果について紹介します。

2021.04.25