PONA システムによるガソリンとアルコールの分析

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はじめに

ガソリンには炭素数4~12の炭化水素が300成分以上含まれています。炭化水素の性質は炭素数や構造によって異なり,大きく5つのタイプ(パラフィン,オレフィン,ナフテン,芳香族,その他)に分けられます。ガソリンを炭化水素のタイプ別に分類し,定量する手法として,「日本工業規格 石油製品-成分試験方法(JIS K-2536)」や「石油学会規格 ガソリン-全組成分析法-キャピラリカラムガスクロマトグラフ法(JPI-5S-52-99)」があり,一般的にPONA分析と呼ばれています。 PONA分析システムでは,ガソリンやガソリン基材中各成分の容量濃度・重量濃度・mol比率を測定することにより,オクタン価・水素量・炭素量・平均密度・蒸気圧を算出可能です。 一方,PONA分析のクロマトグラムは非常にピーク数が多く,保持時間のわずかのずれにより同定を誤り正確な測定が行われないケースや,同定テーブルの修正に多くの時間を費やすケースがあります。このため保持時間の再現性は非常に重要なポイントとなります。本アプリケーションニュースでは,CRG(低温付加装置)付きGC2010を用いたPONA分析システムにおけるガソリン成分の保持時間安定性について紹介します。 また,近年多くの低級アルコールを含むガソリン代替燃料が市場に出回っており,分析の要求が高まっています。PONA分析システムにてガソリンと同一分析条件で低級アルコールとガソリン中の成分との分離もあわせて紹介します。

2006.10.09

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